セロトニンを増やすには?


セロトニンの分泌不足は、気分の落ち込み、イライラ、集中できないといった症状に関係するといわれています。このような症状が気になる人は、もしかするとセロトニン不足につながるような生活になっているかもしれません。
そこでこのページでは、セロトニンを増やす方法を見ていくことにしましょう。一般的には、日光を浴びて適度な運動を行うことでセロトニンは活性化すると考えられていますが、他にもさまざまな方法があります。例えば食べ物やサプリ、漢方薬を活用する方法や整体・ツボ押しを試してみる、呼吸法を意識するといったこともセロトニンの分泌に関連していると考えられています。自分に合った方法を見つけて、セロトニンの分泌量を増やしていきましょう。

 

 

1.食べ物

セロトニンの分泌量を増やすためには、毎日の食事を工夫することも大切です。そのためには「トリプトファン」と呼ばれる成分を意識して摂取することがポイントとなってきます。これは、トリプトファンは脳内でセロトニンやメラトニンに変化する性質を持っているためです。
トリプトファンは大豆や牛肉、魚、卵などの食品に多く含まれる成分ですが、ただ単に食べれば良いというわけではありません。例えば牛肉であれば「茹でた状態」に最も多く含まれているといったように、調理法によってトリプトファンの含有量が変化するため注意が必要です。
また、トリプトファンは継続して摂取することも大切。3ヶ月以上意識して摂取することによってセロトニンが作られやすい体内環境を作ることができると考えられています。

2.サプリ

セロトニンの分泌量を増やす方法として、サプリメントを活用する方法もチェックしておきたいところ。ここでもポイントとなってくるのが「トリプトファン」が含まれるサプリを選ぶ、ということです。
この「トリプトファン」は、大豆製品やバナナ、肉類などの食べ物に含まれている成分です。ビタミンB6と合成されることで、脳内でセロトニンを生成する材料となるという特徴を持っています。ただ、トリプトファンは必須アミノ酸のひとつであるものの体内で生成できないことから意識して摂取する必要があり、サプリを用いるのも良い方法です。

ただしサプリを取り入れる場合には、注意すべきポイントもいくつかありますので、どのような部分に注意したら良いかという点についてもしっかりおさえておきましょう。

3.漢方薬

ストレスに関係する疾患を治療する場合には、漢方薬が用いられることがあります。これは、漢方薬がストレスに強い体を作り、結果的にストレスホルモンによる影響を受けにくくすることを目的としているため。
漢方治療を行うことによってストレスの影響を受けにくい体を手に入れることで、ストレスが原因となって起きると考えられるさまざまな症状の緩和を目指すことができるでしょう。漢方薬は効果が強すぎない、依存性がほとんどないといったメリットがある反面、即効性は期待できないといった面も。
そこで、漢方薬を服用する前に知っておきたい、メリットやデメリットについてご紹介していきます。

4.運動

セロトニンを活性化させるためには、適度な運動を行うことが必要とされています。中でもウォーキングやジョギングなど、無理なく続けられる運動が良いでしょう。ここでおさえておきたいのが「どのように運動を行うか」というところ。
そこで注目したいのが筋肉の収縮と弛緩を繰り返す「リズム運動」。縄跳びやジョギングなど、一定のリズムを意識しながら行う運動がおすすめと考えられています。また、室内で階段の上り下りをしたり、スクワットを行ったりといった運動もおすすめ。このページでは、どんな運動を行ったら良いのかポイントをご紹介していきます。

5.睡眠

ストレスケアには、睡眠も欠かせないとされています。しかし、ただ単に寝れば良いというものではありません。せっかく寝るなら、良質な睡眠を取りたいものですよね。睡眠ホルモン「メラトニン」を分泌させるためにはセロトニンが重要になります。
一般的には7〜8時間の睡眠時間が最適と考えられていますが、どうしてもそのくらいの時間を確保するのが難しい人もいるでしょう。そんな時には15分程度の仮眠を取るのもおすすめとされています。また、寝る前にスマホを触らない、朝は太陽の光を浴びるなど、良い睡眠を得るために押さえておきたいさまざまなポイントがあります。
そこで、睡眠に関するさまざまな疑問に答えつつ、理想とされる快眠へと導くための方法をまとめています。

6.ツボ(経穴)

体のいたるところにある「ツボ」は、脳と密接に繋がっています。そのため、押したり揉んだりすることによりイライラ・不安といった気持ちを抑えることができるといわれています。なぜツボ押しが感情に働きかけるのでしょうか?
それは私たちの感情をコントロールしているのは「脳」であるため。ツボを押すことによって脳に働きかけることができますが、特に手のツボが脳と密接に繋がっていると考えられています。また、自分で気づいた時にツボ押しをするのもおすすめですが、鍼灸もおすすめといわれています。
このように、ツボと私たちの感情は強い関係がありますが、そのメカニズムと、イライラや不安を抑えてくれるツボをご紹介していきます。

7.呼吸法

私たちの呼吸は、ストレスを感じたり不規則な生活が続いてしまうと無意識のうちに浅くなってしまう、という特徴があります。浅い呼吸を続けていると、自律神経が乱れてしまいパニックなどの症状を引き起こす可能性もゼロではないと考えられています。
逆に、深い呼吸を意識することによって自律神経のバランスを整えたり、リラックス効果を生み出したりといったメリットが得られます。緊張した時に意識的に深呼吸をする方も多いのではないでしょうか。また、ヨガなどでも呼吸が非常に重要とされていることをご存知の方も多いでしょう。
そして近年、この呼吸がセロトニンと深い関係があることがわかってきました。一体どのような関係があるのかを見ていくことにしましょう。

8.ふれ合い(グルーミング)

グルーミングとは、人や動物とのふれあいのことをさしますが、このグルーミングもセロトニンを活性させる方法のひとつと考えられています。「ふれあい」と聞くと、どうしても直接のスキンシップをイメージしがちですが、実は仲の良い人と話をしたりすることも、脳科学的にはグルーミングの一種。
他にも、動物とのふれあいを行うことや、マッサージでもセロトニンと深い関わりのあるオキシトシンの分泌を促すといわれています。例えば猫カフェに行ったり、エステや整体・鍼灸院で施術を受けたりといったことであれば、気軽に行えるという方も多いのではないでしょうか。そこで、なぜグルーミングによってセロトニンが活性するのかを、これまでにわかっている研究を交えてまとめています。

9.整体

手技を用いた民間療法である「整体」でも、セロトニンの分泌が促されると考えられています。整体にはさまざまな種類がありますが、中でもセロトニンを分泌させることを目的とした整体として「セロトニン活性療法」というものがあるようです。
この「セロトニン活性療法」と呼ばれる整体は、セロトニンの研究者・滝本裕之氏によって開発されたものです。施術によってセロトニンを活性化させて脳のストレスを軽減する、自律神経のバランスを整えるといった効果が期待されています。このように、心身の不調を取り除くことを目的とした施術です。
そこで、なぜ整体を受けることによりセロトニンが分泌されるのかという点について見ていきましょう。

10.日光を浴びる

セロトニンの分泌を活性化させるにあたって、日光を浴びることも大切であると考えられています。これは、日光を浴びるとセロトニンを分泌するセロトニン神経が活性化するため。例えば朝に太陽の光を浴びながら15分程度のウォーキングを行うのもおすすめです。また、冬など外に出られない時には室内での日光浴を行うのも良いでしょう。
最近部屋にこもりがちだと感じている方は特に、日光とセロトニンの関係をチェックしておきましょう。

セロトニンを増やすことで得られるメリットとは?

セロトニンは「感情のコントロール」や「神経が安定する」という部分に密接に関わっている物質です。そのほかにも、集中力を高める、体調を整えるなど、心と体のバランスをコントロールするという大切な役割を持っています。
朝、起きた時に太陽の光を浴びるとセロトニンが分泌されます。すると自律神経に働きかけて副交感神経優位の状態から交感神経優位の状態に切り替え、体がしっかりと活動できる状態にします。加えて、セロトニンには体の痛みを抑えたりする働きや正しい姿勢を保つという働きも。また、セロトニンを増やすことによって感情のコントロールができるようになるために、必要以上にストレスによるダメージを防げるようになります。

セロトニンが増えないとどうなってしまうのか?

セロトニンが増えない状態が続いてしまった場合、精神的なバランスを保つことが難しくなるとされています。具体的には、ストレスが溜まってしまったりイライラを感じる、意欲が低下してやる気が出ない、うつ症状、不眠といった症状が見られることも。
さらに、セロトニンには痛みの感覚を抑制する働きもあるとされていますので、不足してしまった場合にはほんの小さなことでも痛みを感じやすくなることもあります。

セロトニンが増えない原因は?

セロトニンの分泌不足が起きてしまう最も大きな原因はストレスであると考えられています。ストレスを感じてしまうと、どのような人でもセロトニンの分泌が減ってしまうと考えられています。
また、現代人は「日光を浴びる」「運動する」「スキンシップ」というセロトニンの分泌を促す行動が減っていることも原因のひとつ。そのため、意識的に上記のようなセロトニンを増やすための行動をしていくことが大切といえるでしょう。

 

 


監修者

滝本 裕之

監修者 滝本 裕之

セロトニン活性療法協会 代表理事
ひろカイロ整体院 総院長

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