統合失調症


統合失調症とは、自分の気持ちや考えがまとまらないという状態が続く疾患のこと。強いストレスを受けることで、セロトニンなど脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることによって発症するのではないか、という意見もあります。

そこでこのページでは、「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」といった統合失調症の症状から、原因と考えられるもの、そしてどのような治療が行われるのかについてまとめています。さらに統合失調症になりやすい人の傾向についても紹介しています。統合失調症は100人に1人の割合で発症するといわれており、決して珍しい疾患ではありませんので、あらかじめチェックしておくと良いのではないでしょうか。

 

 

統合失調症とセロトニンの関係

統合失調症は、自分の気持ちや考えがまとまらなくなってしまい、さらにその状態が長く続く精神疾患のことを言います。統合失調症の患者さんには、脳の萎縮・前頭葉の機能の低下などが報告されていますが、発症との因果関係はまだよくわかっていません。
また、強いストレス等が加わることによって、感情のコントロールや精神の安定に導くセロトニンをはじめとした脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、統合失調症を引き起こすのではないかとも考えられています。

統合失調症の症状

統合失調症には、大きく分けて「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つのパターンがあります。それぞれの症状を解説します。

陽性症状

もともとなかった状態が現れるのが「陽性症状」です。症状は、「誰かに監視されている」「自分の悪口を言われている」といった「妄想」、誰もいないのに声が聞こえてくる「幻聴」、実際にはないものが見える「幻視」です。また、頭が混乱してしまい、脈絡のない話をしだしたり、何を言っているのかわからなくなったりする「思考障害」が現れることもあります。

陰性症状

もともとあった状態が失われてしまうのが「陰性症状」です。「感情の平板化」と言って、喜怒哀楽の表現や、他人に共感することができなくなる症状のほか、比喩や抽象的な言い方をした話がわからなくなる「思考の貧困」、何かをしようという意欲がなくなる「意欲の欠如」、人とコミュニケーションをとらなくなる「自閉」などの症状が現れます。

認知機能障害

記憶力・注意力・集中力・判断力が低下している状態を「認知機能障害」と言います。物を覚えるのに時間がかかる、考えがまとまらない、集中できない、計画を立てられない、今何をやるべきかわからない、という場合は認知機能障害にかかっている可能性があります。

このように統合失調症にはさまざまな症状がありますが、常に一定の症状が見られるわけではありません。病状には、前兆期・急性期・消耗期(休息期)・回復期があり、それぞれの状態に適した治療が行われます。また、統合失調症は本人に自覚がないことも多いため、気付かないうちに社会生活に影響が出てしまうこともあります。

統合失調症の原因とは

統合失調症の原因はよくわかっていませんが、脳の機能や神経伝達物質に関係しているのではないかと考えられています。このほかにも、環境や遺伝などさまざまな原因があるのではないかと言われており、いくつかの要素が重なることで発症する可能性も指摘されています。
また、もともと病気になりやすい性質を持ったところにストレスなどの負荷がかかることで、発症しやすくなるのではないかとも考えられています。

統合失調症になりやすい人は

統合失調症は、100 人に1人程度の割合で発症する病気で、そこまで珍しいものではありません。思春期~40歳くらいに発症しやすいとされていますが、どのような人がかかりやすいかについて、まだ詳しくはわかっていません。発症にはさまざまな要因が複雑に絡み合っており、家庭環境や育て方は関係ないとされています。

統合失調症の治療法は

統合失調症は、「投薬治療」と「精神科リハビリテーション」を中心に治療が行われます。前兆期・急性期・消耗期(休息期)・回復期、それぞれに適した治療法をとることが大切です。

投薬治療

統合失調症の中心となる薬物は「抗精神病薬」です。抗精神病薬を使って、脳内で過剰になってしまったドーパミンを抑え、症状を改善に導きます。抗精神病薬には、陽性症状に効果がある「定型抗精神病薬(従来型)」と、陽性症状・陰性症状・認知機能障害いずれにも効果を見せる「非定型抗精神病薬(新規)」の2種類があります。

精神科リハビリテーション

精神科リハビリテーションとは、安定した生活を送れるようにさまざまな取り組みを行うことです。例えば、レクリエーションや料理を通じてコミュニケーション能力を改善する「デイケア」や、スポーツや音楽などを通して充実感・達成感・幸福感などの感情を活性化させる「作業療法」などがあります。いずれも医師や看護師、作業療法士など、専門的な知識を持った職員が連携して行われます。

セロトニンを活性化する

統合失調症は、セロトニンをはじめとした神経伝達物質のバランスが乱れることも、発症の原因のひとつではないかと言われています。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、ストレスを和らげるために必要なものです。運動や食事のほか、サプリメントでも分泌を促すことができます。

それ以上にいま注目を集めているのが、セロトニン活性療法です。『脳からストレスを消す整体』セロトニン活性療法は研究を重ね、臨床試験を実地して論文が医学誌に数度、登録されている科学的根拠がある手技(整体)です。統合失調症に苦しんでいる方は、ぜひチェックしてみてください。

統合失調症への自分でできるケア

統合失調症と診断された場合、病気により様々な生活機能が低下している状態となっています。そのため、まずは毎日の生活リズムを整えることが大切。規則正しい生活を送ることを心がけましょう。また、毎日の生活の中ではストレスをできるだけ減らすためにも落ち着いた環境で過ごすことも大切。その中では、気分転換ができるような趣味を見つけることもおすすめです。
また、仕事を休んでいる場合にはなかなか復帰ができないという点に焦りを感じる場合もあるかもしれません。ただし、統合失調症は再発しやすい病気でもあるため、イライラしたり焦ったりしないことも大切です。

統合失調症への周りの人が出来るサポート

周りに統合失調症の人がいる場合には、どのようなサポートができるのか見ていきましょう。

安心できる生活環境づくり

患者本人が安心して落ち着いた生活を送るためには、そのための生活環境作りが大切です。その中でも、周りの方が統合失調症とはどのような病気なのを理解するという点は非常に大事なポイント。病気について理解した上で、家族や周りにいる大切な人が病気である、ということを受け入れましょう。
また、徐々に病状が回復してくると、家族や周りの人は病気になる前と同じ状態に戻ることを期待しがちですが、その期待は本人にとっては非常に負担になることがありますので注意が必要です。

身の回りのことを自分でできるようにサポートする

統合失調症になると、患者本人は生活のし辛さを感じることになります。そのため、周りの人はできる限りのサポートをしたいと思いがちですが、この時のポイントは本人ができることはできる限り本人でできるような形で支援を行う、という点。そのため、どの部分をサポートするべきかを考えることが必要になってきます。
もし家族が世話を焼きすぎた場合には、世話をしてもらうことが当たり前に感じてしまうことがあります。病気が回復する過程から自立を促す、ということが大切だといえるでしょう。

 

 


監修者

滝本 裕之

監修者 滝本 裕之

セロトニン活性療法協会 代表理事
ひろカイロ整体院 総院長

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