4.運動とセロトニン


セロトニンを増やすためには、「運動」も欠かせません。ただし、いきなり激しい運動を行うのはNG。せっかく運動をするのなら、1日15〜30分程度の長く続けられるような運動を行いましょう。
ここでおすすめなのが「リズム運動」。これは、一定のリズムで体を動かすウォーキングやジョギング、サイクリング、ダンスなどがあります。さらに、呼吸のリズム運動といわれるヨガや座禅、太極拳もリズム運動に含まれます。また、手軽にできる運動として階段の上り下りもおすすめです。
このページでは、セロトニンを増やすために取り入れたい運動について紹介しています。運動を続ける際のポイントもまとめていますので、普段運動する習慣がないという方もぜひ参考にしてみてください。

 

 

セロトニンを増やす運動とは

セロトニンを増やすには、「リズム運動」が効果的とされています。リズム運動とは、筋肉の収縮と弛緩(しかん)を繰り返す運動のことで、一定のリズムを重視した運動のことを指します。分かりやすく言えばなわとびやジョギングがそれにあたりますが、激しい運動をする必要はありません。一定のリズムを意識しながら集中して行えるのであれば、どんな動きでもOKです。
外出するのが難しい方は、室内でスクワットを行う・自宅の階段を昇り降りするなど、ちょっとした一定の動きの繰り返しも「リズム運動」になります。
日々の中で無理なく行えるリズム運動を探してみるのはいかがでしょうか。

15~30分の運動でOK

北陸大学の研究によると、踏み台の昇降を15分間繰り返す運動試験で、運動後30分以内にはセロトニン濃度が増加したという結果が導き出されました。リズム運動によってセロトニンが活性化する仕組みはまだ解明されていませんが、運動しはじめてから5分後にはセロトニン分泌が高まることから、短時間の運動でもセロトニンが活性化されることが分かっています。

参照元:北陸大学「踏み台昇降運動によるセロトニン神経系の賦活」(https://www.hokuriku-u.ac.jp/about/campus/libraryDATA/kiyo26/gai1.pdf)

セロトニンを増やすリズム運動の種類

たとえば、以下のようなことがセロトニンを活性化させるトレーニングとして有効です。
自分の得意な分野や楽しめそうなことからはじめてみませんか。

いろいろなリズム運動

運動 ジョギング、ウォーキング、サイクリング、スクワットなど
ダンス フラダンス、社交ダンス、盆踊り、阿波踊りなど
呼吸 ヨガ、座禅、太極拳、読経など
その他 階段の昇り降り・咀嚼・ドラム演奏など

咀嚼や呼吸もリズム運動のひとつ

一定のリズムで体を動かすウォーキングやジョギング、音楽のリズムに合わせるダンスなどもリズム運動に当てはまります。
リズム運動には大きく分けて「歩行のリズム運動」「咀嚼のリズム運動」「呼吸のリズム運動」の3つがあります。手足を動かす運動はもちろん、呼吸や咀嚼も「腹筋」や「表情筋」などの筋肉を使ったリズム運動のひとつです。これまでの研究では、どのリズム運動を行ってもセロトニン神経が活性化することが分かってきました。
体力に自信がない方や「運動する気が起きない」「続きそうもない」という方でも、ガムを噛んだり呼吸を整えながらヨガや座禅を楽しんだりすることで、気軽にセロトニン活性化を期待できます。

参照元:セロトニンDojo「リズム運動がセロトニン神経系を活性化させる」有田秀穂教授の論文紹介より(https://serotonin-dojo.com/httpdocs/article03.html)

集中するとセロトニン分泌が高まる

ただ漫然とリズム運動を行うのではなく、運動をしている間はなるべく集中して行いましょう。リズムや呼吸、音楽に集中しながら運動すると、セロトニンの分泌量が増えることが報告されています。慣れない運動に集中しているとはじめは疲れるかもしれませんが、次第に心が安定していき、疲れを感じにくくなるでしょう。

グループで行うとより効果的

リズム運動は、1人でやるよりも大勢で行うほうが、セロトニンが活性化するとされています。たとえば東京都江戸川区の場合、区内に複数のリズム運動同好グループがあり、大勢で楽しむ仕組みが整っています。大勢のグループに参加するのが苦手な方は、まずは親しい友人や家族と運動してみてはいかがでしょうか。1人よりも安心できますし、目標を立ててお互いに励まし合いながら運動することもできるでしょう。

注意)おしゃべりしながらの「ながら」は効果がありません。

太陽の光を浴びるのもよい

オフィスワークが増えた現代社会では、太陽の光を浴びる機会が減っています。セロトニンは太陽の光で活性化されるため、お日様に当たることが大切なのです。

日焼けやしみ・そばかすなどを気にしている方でも大丈夫。セロトニンは目の網膜を通じて活性化するため、肌は衣服や日傘、帽子などで覆っていても問題ありません。ただし、サングラスは目に入る光が減ってしまい、効果が落ちてしまうので避けてください。

時間帯は日の出から14時くらいまで。それ以降は太陽の光を浴びてもセロトニンは活性化しません。

時間は5分以上30分以内。浴びすぎても減ってしまいますので、必要以上に日光に当たるのは避けましょう。

無理なく続けることが大切

セロトニンは、1日15分~30分程度の運動で活性化することが分かっていますが、分泌したセロトニンは体内にとどめておくことができません。長時間運動したからといって、セロトニンを「貯蓄」できるわけではないので、無理は禁物です。
また、気分が優れないときにまで頑張りすぎてしまうと、かえって運動そのものをストレスに感じてしまうでしょう。
体調や気分が優れないときには無理せず休んでください。無理に習慣化しようともせず、体調の良いときにできる範囲で楽しむことが大切です。

運動によって生まれる相乗効果

リズム運動をはじめとした運動を行うことによって、セロトニンが活性化するほかにも、さまざまな相乗効果が生まれます。

興味が生まれる

ウォーキングやサイクリングなどを行うことでセロトニンが活性化し、物事への興味や関心が生まれます。セロトニン活性の効果によってさまざまなことに目を向けられるようになるでしょう。

食欲がわく

運動するとお腹がへるのは、誰にでも経験のあることではないでしょうか。運動することで体力が向上し、食欲が増進します。食生活の改善にもつながるため、心にも良い効果が期待できるでしょう。

再発率が低くなる

アメリカでは、内服薬だけでうつを治療したグループと、運動療法だけで治療したグループとで比較したところ、同じように回復したという結果がでています。
また、運動療法を継続したグループは、うつの再発率が低くなったという結果も報告されています。運動を継続することが生活リズムを整え、心身のバランスを整えることにつながりそうです。

ストレスと上手に付き合える体づくりが大切

セロトニン神経を疲弊させないようにする大切な心構えのひとつに、「無理にストレスを取り除こうとしない」という考え方があります。
誰でも多かれ少なかれストレスを抱えていたり悩みを持っていたりすると思います。無理にストレスをなくそうと気負いせず、上手にストレスを受け流せる体質をつくっておくことが大切です。
リズム運動は、少々のストレスでは負けない心身をつくるのに非常に有効な手段のひとつです。
心身のバランスが整ったら運動を終わりにするのではなく、次は習慣化する目標を立ててみましょう。日々のルーティーンを実行するだけでコンディションが安定するようになります。

 

 


監修者

滝本 裕之

監修者 滝本 裕之

セロトニン活性療法協会 代表理事
ひろカイロ整体院 総院長

目次