オキシトシンとセロトニンの関係とは?


日々の生活で幸せを感じない、不安や恐怖、など不快感を感じるといった心の不調を感じている方は、オキシトシンが不足しているかもしれません。
ここでは、セロトニンと同じように「幸せホルモン」のひとつと言われる、「愛情ホルモン」オキシトシンについて解説しています。どちらも「幸せホルモン」と言われるとおり、オキシトシンとセロトニンには深い関係性があります。2つのホルモンがもたらす効果やはたらきを知って、心をうまくコントロールする方法を見つけていきましょう。

 

 

オキシトシンとは

別名「愛情ホルモン」

オキシトシンは、幸せホルモンのほか「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」「癒しホルモン」など、さまざまな呼び名が付けられています。どの呼び名の言葉も当てはまるのがポイントで、とくに家族や恋人、動物などとふれ合う際に分泌されると言われています。
オキシトシンが分泌されると幸せな気持ちになり、心が癒されてストレスが和らぎます。
さらに、心臓機能が強化される、感染症の予防につながるなど、身体にも良い影響をもたらしてくれるホルモンです。

他者とのスキンシップで分泌

オキシトシンは主に、家族や夫婦といった信頼できる関係とのふれ合いやスキンシップによって分泌されます。
オキシトシンは、語源となったギリシャ語で「早く生まれる」という意味を持ち、これまでは出産や授乳、子育ての際に分泌する女性ホルモンと考えられてきました。
しかし、近年になって脳科学の研究がすすむにつれ、性別や年齢を問わずオキシトシンは分泌される脳内神経伝達物質であることが解明されていて、さまざまな効果をもたらすことが明らかになっています。ペットなどの動物に癒される効果も、オキシトシンが分泌されることにより起こるものです。

オキシトシンの働き

オキシトシンは脳のストレス中枢を直接抑制し、ストレスから起きる病気の原因を摘み取ってくれます。脳の疲れを癒やす、気分を安定させる、人に対する信頼感を高める、心地よい幸福感をもたらすなどの働きがあります。
その結果、母子の絆、男女間の愛情、不安や恐怖の軽減、ストレスを抑圧するなど偏桃体に働きかけており、PTSD(トラウマ)などに対する効果があることも解っています。
また、オキシトシンはコルチゾールの分泌を抑制し糖尿病や高血圧などの病気の予防になります。さらにストレスを抑制するためセロトニン神経を弱らすことを防ぐことも出来ます。

オキシトシンはセロトニンを増やす

セロトニン神経を活性化させる

オキシトシンが十分に分泌されていると、脳内のセロトニンも増えていきます。オキシトシンの受容体はセロトニンの神経細胞にあり、セロトニンが分泌される神経に影響を与えています。
そのため、オキシトシンが増えることによってセロトニンが活性化するのです。どちらも幸せをつかさどるホルモンのため、オキシトシンとセロトニンが十分にある状態の脳は脳疲労が癒されやすくなり、気分が安定します。
心が常に軽い状態となり安定し、人に対する信頼感も増していきます。

相互の効果を高める

オキシトシンとセロトニン、どちらも十分に分泌されている状態が理想的です。
オキシトシンとセロトニンが安定して満たされていると、脳の状態が安定しやすくなります。すると心も落ち着ついた状態に。オキシトシンとセロトニン、どちらの効果も発揮された状態となり、より心が満たされていきます。
また、日中、セロトニンが十分にあると、夜にはメラトニンといった睡眠に関わるホルモンも活発になります。よく眠れるようになり、さらに心身が整いやすくなります。

セロトニンとオキシトシンをうまくコントロールする

幸福感に深く関わるセロトニンとオキシトシンをうまくコントロールできるようになれば、ストレスを感じにくくなり心が安定していきます。
ここでは、オキシトシンを増やす行動をまとめてみました。家族が近くにいない方や恋人・配偶者がいない方も実践できる方法があるので、日常生活のなかで無理のない範囲で実践してみてください。

スキンシップを行う

手をつなぐ、抱き合うなど、特に配偶者や恋人とのスキンシップが効果的ですが、配偶者や恋人でなくても、好意を持つ人とのスキンシップや家族との団らん、友人とのおしゃべりや食事でもオキシトシンが分泌されます。ペットとのふれ合いも効果的。特に犬や猫とのスキンシップは、オキシトシンが多く分泌されると言われています。

人に感謝する

オキシトシンは「思いやりホルモン」とも呼ばれています。相手を思いやって褒めたり共感・同調したりねぎらいをかける(=承認)ことで、オキシトシンが分泌されることが研究によって分かったからです。
小さなことでも良いので、1日3回、「ありがとう」と感謝の言葉を口にすることを心がけてみましょう。

マッサージをする

マッサージは肌と肌のスキンシップ効果でオキシトシンが分泌されるといわれています。ただし、すべてのマッサージでオキシトシンが分泌するわけではありません。心地よい触刺激によるマニピュレーション(なでる・さするなど)がオキシトシンを分泌されることがセロトニン活性療法協会代表理事の滝本氏の研究で言われています。

参照元:セロトニン神経活性化の臨床的評価:脳波α2成分の発現
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/islis/34/1/34_73/_article/-char/ja/)

セロトニンを活かすカギはオキシトシン!

人との関わりやふれ合いによって分泌されるオキシトシン。オキシトシンが分泌されることによってセロトニン神経が活性化し、セロトニンがつくられるようになるのです。
セロトニンが活性化すると、脳の状態や心の平安を得られます。セロトニンの活性化にうまくつなげるために、オキシトシンにも意識を向けてみてください。

 

 


監修者

滝本 裕之

監修者 滝本 裕之

セロトニン活性療法協会 代表理事
ひろカイロ整体院 総院長

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