セロトニンと自律神経の関係とは?


体の生命維持機能をコントロールしている私たちの自律神経。自律神経の働きにもセロトニンが関わっているのをご存じでしょうか。
「カゼではないのに体調が優れない」「いつも体がだるくてスッキリしない」という方は、自律神経やセロトニンがうまくはたらいていないかもしれません。
今回は、セロトニンと自律神経の関係性や自律神経の乱れによる心のバランスの変化について解説していきます。

 

 

そもそも「自律神経を整える」とは

自律神経は、血管や内臓器官を自分の意志と関係なく調整してくれる神経です。自立神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、日中起きている間は交感神経が活発に、寝ている間は副交感神経が優位になります。
呼吸器官や消化器官、体温調節といった体の生命維持に関わる機能をコントロールしているため、健康的な毎日を送るためには2つの自律神経のバランスが整い、正しく機能していることが大切です。

自律神経が乱れると起こる症状

交感神経が活発な時はそれなりにやる気もあり、疲れていると思いながらも体は動くので、体調は比較的良い状態と言えます。この段階で副交感神経を高めてバランスを取るのはいいことですが、いったん自律神経が乱れると副交感神経のほうが優位になってしまいます。
すると血管や内臓の機能が低下して体がだるくなり、いつまでもベッドから起きられないなど、気力にまで影響を及ぼします。

心のバランスにかかわる自律神経

自律神経が乱れて副交感神経が優位な状態がつづくと、体のだるさのほか、仕事や勉強をしたくないといったやる気の低下が起こります。また、自律神経の乱れによる睡眠不足で肉体的疲労をため込むことになると、さらなる体調不良につながってしまうので放置してはいけません。
長引く身体的不調から精神的にも不調をきたし、うつのような状態になってしまうこともあるため注意が必要です。

セロトニンが活性化すると自律神経も整う

セロトニンは、日中体を動かしやすくする、集中力を高める、痛みの感覚を抑制させるなど、自律神経に働きかける大切な役割を担っています。また朝起きたときに、体がスムーズに働くよう、副交感神経から交感神経にするスイッチの役割も持つなど、セロトニンと自律神経はお互いが深く関わり合っています。
さらに、十分な睡眠をとることがセロトニンを活性化し、必要なホルモン「メラトニン」はセロトニンをもとに作られるため、「夜なかなか眠れない」「寝ても疲れが取れない」といった方は、自律神経の乱れだけでなくセロトニンにも意識を向けることが必要です。

自律神経を整えるには

自律神経のバランスを整えるには、なるべくストレスを抱え込まず、適度に発散させながら規則正しい生活を送ることが大切です。ここでは、自律神経を整えるためにできることを紹介していきます。

運動する

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を続けると自律神経を整えるのに効果的です。このとき、体内に酸素を取り込むためにしっかりと呼吸に意識を向けながら運動しましょう。なるべく左右均等の動きをする運動がおすすめです。テニスやゴルフなどの片方だけを重点的に動かすスポーツではなく、水泳や自転車など、左右どちらも動かす運動を選びましょう。

日光を浴びる

朝日を浴びるとすがすがしいと感じるのは、気分的な問題だけではありません。太陽の光を浴びる、早寝早起きなどの生活習慣はセロトニンを増やし、体内時計をリセットして自律神経を整えることにつながります。毎日続けていると、スッキリと目覚めてやる気が出てくるでしょう。日光浴は朝起きてカーテンを開けるだけでも効果的です。

呼吸を整える

物事に集中したりストレスがかかったりしているとき、体は交感神経が優位になり呼吸数が増えて浅くなっています。ふだん行っている呼吸を意識して、副交感神経を刺激しましょう。緊張を感じたときには、ゆっくり4秒かけて息を吸い8秒かけて息を吐く呼吸を続けてみてください。息を吸ったときに交感神経が働き、吐いた時に副交感神経が働きます。腹筋を意識してリズムよく行う呼吸法も効果的です。

セロトニンを増やす

セロトニンが増えると気持ちが安定し、自律神経の乱れが整います。毎日の生活のなかで、セロトニン活性も心がけてみましょう。セロトニンが増えると良質な睡眠にもつながるため、より効果的に自律神経のバランスを整えることにもつながっています。

セロトニンを増やす方法とは

食べ物

セロトニンを増やす効果があるのは、「トリプトファン」という成分を含む食品です。豆腐などの大豆製品や肉・魚類、卵、乳製品、バナナなどを積極的に食べましょう。このとき、ビタミンB6や炭水化物を一緒に摂ることを意識すると、効率よくセロトニンが生成できます。

サプリメント

先述したトリプトファンを、サプリメントで摂る方法もあります。トリプトファンはビタミンB6と合成されて、炭水化物によってセロトニンの材料となります。

リズム運動

ウォーキングやダンスなど、一定のリズムが起こる運動がセロトニンを効果的に増やすと言われています。1日15~30分でも良いので、軽いリズム運動をしてみましょう。呼吸を意識するヨガや座禅、読経なども効果的です。

グルーミング

ペットや動物とふれ合う、家族とスキンシップする、「グルーミング」によって、セロトニンのもととなる「オキシトシン」という脳内ホルモンが分泌されます。人や動物とのふれ合いそのものでも幸せな気持ちにもなれるため、試してみる価値は大いにあるでしょう。

 

 


監修者

滝本 裕之

監修者 滝本 裕之

セロトニン活性療法協会 代表理事
ひろカイロ整体院 総院長

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