調節障害とは、小学生高学年から中学生にかけて見られる疾患です。この調節障害は、私たちの体の機能を調節する自律神経に関わっている疾患であり、セロトニンの不足が関連しているとも考えられています。そこでこのページでは、調節障害の症状(起立直後性低血圧・体位性頻脈症候群・神経調節性失神・遷延性起立性低血圧)や、その原因と考えられているもの、治療法などをまとめるとともに、セロトニンとの関わりについて紹介しています。
また、どのような性格の人が調節障害を発症しやすいと考えられるのかまとめています。人によってさまざまな症状が見られる疾患でもありますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
調節障害は、小学校高学年~中学生頃にかけてよく見られる疾患です。呼吸・循環・消化など無意識のうちに体の機能を調整している「自律神経」に関わる疾患で、第二次性徴に伴う体の変化や環境の変化、精神的なストレスなどで発症すると言われています。
ストレスが蓄積すると起こるのが、感情のコントロールや精神の安定に寄与する脳内物質のセロトニンの分泌の減少です。調節障害は、ストレスによりセロトニンが不足し引き起こされると言われています。
調節障害は、主に起立直後性低血圧・体位性頻脈症候群・神経調節性失神・遷延性起立性低血圧の4つのパターンに分けられます。それぞれの症状や特徴について解説します。
起立直後性低血圧は「OD( Orthostatic Dysregulation)」と呼ばれることもあり、小学校高学年の約5%、中学生の約10%が発症すると言われています。立ち上がった時(起立した時)に、心拍数が上昇し血圧が下降しますが、通常はすぐに元に戻ります。しかし自律神経がうまく働かず、回復に時間がかかってしまう状態のことを起立直後性低血圧と言います。
このような症状から、「怠けている」「サボっている」「やる気がない」などと勘違いされてしまうこともあるため、家族や周囲の人が、よく注意しましょう。朝起きられないため、不登校になってしまう割合が高いこともわかっています。
体位性頻脈症候群は起立直後性低血圧と違い、起立後に血圧は回復するものの、心拍数の上昇がなかなか回復しない状態のことです。
神経調節性失神は、脳への血流が一時的に低下することで失神してしまう状態のことです。血流を調整する機能がうまく働かなくなることで起こると言われています。失神に至る状況は、人によってさまざまです。
失神する前には、吐き気・冷や汗・ふらつきなどの症状が見られることがあります。失神している時間は約1分程度と長くありませんが、失神する際に物にぶつかってしまうこともあるため注意が必要です。
遷延性起立性低血圧は、立ち上がったり起き上がったりした時には血圧の低下が起こりませんが、徐々に血圧が低下してしまう状態です。症状は、立ち上がった数分後の失神です。
調節障害は、自分ではどうしようもない疾患です。第二次性徴を迎える思春期には、健康な子どもでも発症することがあります。心身の成長に伴って自律神経の働きが乱れたり、環境の変化でストレスを感じたりすることなどが原因と考えられています。
小学校高学年~中学生、そして女性の方がなりやすいと言われています。また、几帳面で真面目なタイプはストレスを感じやすいため、そうでない人に比べ調節障害になりやすいと考えられています。
一般的に投薬治療は必要ありません。血液量を増やすために塩分や水分を多めにとる・日中寝ころばない・起立の際はゆっくりと・長時間立ちっぱなしにならない・ストレスを減らす、など日常を工夫するセルフケアを行います。ただし、調節障害に伴ってうつ病などを発症している場合や、血圧が著しく低い場合は投薬治療をとることもあります。
調節障害は早めに治療を始めれば、数ヶ月以内に症状が改善するとされています。
調節障害によって気分が落ち込みやすくなっている場合は、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が不足しているかもしれません。そんな時は運動・食事など日常生活の改善などでセロトニンを活性化することが重要です。
15分というわずかな時間で脳内にアプローチできるセロトニン活性療法という方法もあります。
『脳からストレスを消す整体』セロトニン活性療法は研究を重ね、臨床試験を実地して論文が医学誌に数度、登録されている科学的根拠がある手技(整体)です。
調節障害の症状がある場合に自分できるケアはどのようなものがあるのでしょうか。
また、起床後にいつまでもゴロゴロしていると、より起立しづらくなるという悪循環が生まれてしまうため、日中は体を横にしないように注意しておくと良いでしょう。ポイントは、立ち上がることが難しくても座った状態でいたり、どうしても寝たいときには上半身をあげるようにしておく点です。頭の位置を心臓よりも高くすることにより、高い位置まで血を送れるように体が調整することを忘れないようにするという点が必要となってくるでしょう。
また、長時間立ち続けることを避け、適宜座って休むという対応も必要になってきます。
起立性調節障害の症状がある場合には、体内で循環している血液量が少ないことから循環する血液量を増やす必要があるとされています。そのため、水分と塩分をしっかりと摂る必要があるといえるでしょう。また、朝に起きられないために朝食を抜かしてしまうことが塩分不足にもつながるといわれています。
調節障害の人に対し、家族や周りの人ができるサポートはどんなものがあるのかを見ていくことにしましょう。
患者をサポートするには、ますどのような病気なのかを理解する必要があるといえるでしょう。もし病気について理解をしていない場合には、症状が出たときに理解ができず、本人を責めてしまうことにもつながりかねません。そうなると本人はストレスを感じてしまうことからより症状が悪化してしまう可能性もあります。
起立性調節障害は自律神経系の病気です。そのためストレスがかかると症状が悪化する大きな要因となるとされています。病気の症状が出ているという点について本人はひどく辛さを感じているため、そのことに対する理解が大切。そして、本人が学校に行こうとしている気持ちを評価するという点も重要です。
たとえ症状がある中でも充実した生活ができるように、周りが見守ることも大切です。