ここでは、「セロトニン症候群」の症状や、兆候が出た時の対処法について解説します。
このページで紹介している「セロトニン症候群」はなかなか聞き慣れない名前と感じる方も多いかもしれません。
セロトニンが不足するとさまざまな症状が現れるということは広く知られているものの、逆に過剰に分泌されたときにもさまざまな症状が現れます。過剰分泌による主な症状は「精神症状」「運動症状」「自律神経症状」の3つに大別されますが、このようにセロトニンが過剰に分泌されることによって起こる症状をセロトニン症候群と呼んでいます。
そこでこのページでは、なぜセロトニン症候群が起こるのか、そして兆候が見られたときの対処方法をまとめています。セロトニン症候群は早期発見が大切ですので、どのような原因で起こりやすいのかを頭に入れておくと良いでしょう。
“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンについては知っていても、「セロトニン症候群」という言葉は初めて聞いたという方は多いのではないでしょうか。
「セロトニン症候群」とは、セロトニンが過剰に分泌された際に起こる症候のことをいいます。セロトニンが過剰に分泌される原因はいくつかあり、抗うつ薬とハーブの飲み合わせによって引き起こされるものや、「カルチノイド腫瘍」と呼ばれる腫瘍ができ、場合によってはセロトニンが異常に分泌されてしまうケースなどが挙げられます。「セロトニン症候群」は、放っておくと命に関わる危険な症状を引き起こす場合もあるので、早期発見を心掛けることが大切です。
「セロトニン症候群」の症状は、どんなものがあるのでしょう。
「セロトニン症候群」のおもな症状は、「精神症状」「運動症状」「自律神経症状」の3つに分かれます。イライラする、興奮する、心が落ち着かない、不安感、頭が混乱するなどの「精神症状」、体がこわばる、痙攣する、手足勝手に動くなどの「運動症状」、そして、発熱や発汗、下痢や嘔吐、頻脈といった「自律神経症状」がおもな症状といえます。
メンタルクリニックなどで処方された抗うつ剤を多く服用したり、薬が複数に増えたタイミングで、上記のような症状が表れた際には、注意が必要です。このような「セロトニン症候群」の症状が起こっていても、気づかずに薬を服用し続けると、症状の悪化や意識障害が起こったり、最悪の場合は死に至るケースもあるのです。
常に心が落ち着かず、頻脈があるなど「精神症状」「運動症状」「自律神経症状」の複数の症状が出た場合には、「セロトニン症候群」の疑いがあります。
「セロトニン症候群」は、早期発見が重要です。「セロトニン症候群」の症状は、抗うつ剤を服用後、数時間で現れることが多いので、薬を飲んでしばらくは、体の変化を見逃さないようにしましょう。抗うつ剤と同時に、セントジョーンズワートなどのハーブのサプリメントを飲んだ場合に症状が現れる人もいるので、ハーブと抗うつ剤を掛け合わせて飲む際は注意が必要です。
また、抗うつ剤などの薬が増えたり、薬の種類を変えたタイミングで、「セロトニン症候群」の症状が出た場合には、すぐに服用を止め、かかりつけ医や薬剤師に相談することをお勧めします。「セロトニン症候群」は早期発見・早期治療を行えば、薬を中止してから1日から数日程度で症状が改善しますが、症状が進行すると、入院治療が必要になることもあるのです。